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HOMEDOTMANの能天気な日々>DOTMANの思い出:その8


DOTMANの思い出:その8

DOTMAN不良時代

DOTMANの不良時代:パート1

 

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DOTMAN、放校される!(2005.03.23)

2005年1月、愚息はついに高校をキックアウトされた。理由は・・・ない!

理由もないのにキックアウトされて文句を言わないのか!というご意見もあるとは思うのだが、疲れてしまったのだよ、もう。理由がないということが判明した時には、もう文句を言う気力が無くなってしまっていたのだ。それまで私なりに頑張っていたのだが、全く効果がなかったもんで。

いやぁ、子育てに諦めは厳禁ですな。わかっちゃいるのだが、おばさんはもう疲れたよ。

アメリカの高校は単位制である。4年間で決められた単位を取らなくてはならない。大学と同じシステムである。が、大学と違うのは留年できないところだ。4年間で決まられた単位が取れなければ高校中退ということになる。そうなった子はアダルトスクールへ行って高校卒業資格というものを取ることが出来るが、これは高校を卒業したのと同じ学力がある、とオフィシャルに認められるのだが、=高校卒業者とはならない。高校は卒業出来なかったけど、資格だけは取りました、ということで、「高校は卒業できなかったけど」という所が強調されてしまうのだ。もちろんこの資格があれば大学へは進学できるし、大学を卒業してしまえば結局は同じことなのだが、やはりちょっと違う・・・らしい。

去年の9月以降、愚息は益々高校が嫌になった。学校側に失望するようなことが散々起こったからだ。私も学校から呼び出しが来るようになった。愚息自体がやる気がないのに親に言われてもねぇ・・・。が、去年の12月の時点で、「単位は十分。」とはっきりと言われていたので、勉強に関してはそれ程心配していなかった。

ところが年が明けて1月、再び学校のカウンセラーと面接した時、「今の状態で、55単位不足しています。このままでは絶対に高校を卒業できません。」と言われてしまった。「Valleyへ行けばまだ間に合います。」

えっ、単位、十分じゃなかったの?一月も経たない間にそんなに不足しちゃうの?1、2科目落とした位で55単位も突然不足するわけ?しかも、55単位も不足しているのにValleyへ行ったらまだ間に合うなんて、そんなことがある訳?そういう楽できる高校があって良いの?それって本当に高校な訳?

という疑問があるにはあったのだが、その頃は気力が衰えていたし、愚息は「はい!Valleyに行きま~す!」と素直にお返事をしてしまったものだから、「ま、いいか」と思ってしまったのである。

高校に1日6時間行ったとすると1年で60単位取れることになる。高校を卒業するには最低220単位取らなくてはならない。4年制だから4で割ると1年に最低55単位取らなくてはならない。55単位足りないということは、1年分後れているということになる。こりゃまずいよね、やっぱり。でも・・・一体愚息は何時そんなに単位を落としたのだろう?

Valley Highに行くと、まずオリエンテーションがあり、その後高校を卒業するためには何をどれだけ取らなくてはならないかを考えてカリキュラムを組んくれる。で、そのカリキュラムを組む時になって・・・

「君、10単位取りすぎてるよ。ここは単位が不足している子達のためのクラスなんだから、君なんか来ても困るんだよねぇ。だいだい、君、どうしてここに来たの?」

こ、こ、困るって言われても・・・もう遅いわい!
ど、と、どうしてって言われても・・・希望して来れる学校じゃないんだから、愚息の高校がここへ行けっていったからに決まってるじゃないか!

Valleyのカウンセラーが、前の高校へ電話で抗議したのだが、トランスファーの手続きをした後だからもう遅い。そちらで引き取ってくれ、と言われたそうだ。

そうだと思ったんだよね。確かに愚息は成績が悪いが、そこまで単位を落としてはいなかったはずなのだ。

愚息は「この教師、能力なし!」と見ると徹底的に相手が立ち直れないほど攻撃をかけるのだ。取っていたクラスの教師と生活指導カウンセラーに対しては彼なりに尊敬できるところがあったらしくて、教師を悪く言うことも攻撃することもなかったのだが、教科指導カウセラーに対しては徹底的に攻撃をかけたらしい・・・口先一つで大人を本気で怒らせるのは彼の特技である。(丸め込むのも得意)

要するに・・・嫌われて追い出されたのである。そういう人なのだ、あのカウンセラーは。

愚息はそんなカウンセラーとの付き合いにうんざりしていたし、他にも高校側に対してむかつくことが多々あったらしく、嬉々としてValley行きを受け入れた。本人が良いと言っているのだ、私がこれ以上反対する理由もあるまい。

と言うわけで、愚息が高校をキックアウトされた理由は・・・やはり、無い!

では何故カウンセラーは55単位不足しているなどと言ったのだろう?と考えてみた。愚息が卒業するためには、後80単位ほど必要なようだ。で、3年生後期現在取っているクラスを一つも落とさなければ、30単位取れることになる。残りは50単位。そこで彼女は55単位不足している!(しかも計算間違いしてる)と考えたらしい。しかし、愚息はまだ3年生なのである。卒業までにまだ1年半あるのだ。ま、彼女の間違いを訂正しなかった私も私なんですけどね。(人に間違いを訂正されると逆上しそうな人なんだもん・・・はっきり言ってかなり頭悪いみたいです、彼女。)ま、愚息が反抗的だったことは確かだろうし。

愚息のカウンセラー、結局間違いだったこのことを発見した時、喜んだだろうなぁ。何か追い出す理由を探さなければ、と必死になっている時、自分の希望していたことを見つけたと思った場合はなかなか自分の間違いに気がつかないものなのである。

ちなみに、本当に55単位も不足していたとして、Valleyにトランスファーした場合、ちゃんと高校卒業に間に合う・・・などということは無いことがValleyに移ってから判明した。

・・・そんな都合の良い学校があるわけねぇよな。

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Valley High初登校 (2005.03.31)

Valley初登校の日のことである。恐い噂は散々聞いていたので、気が小さく心配性の私はかなり当日かなり怯えていた。何しろオフィシャル不良高校である。普通の高校にだってギャングはいるは、ドラッグは簡単に手に入るは、というのがアメリカの高校の実態なのである。元いた高校の生活指導カウンセラーは「ここに比べるとセキュリティは随分しっかりしていますから大丈夫です!」と自信を持って言ってくださったが、それほどしっかりしたセキュリティが必要な学校って・・・?

話はさらに遡り・・・私が中高生の頃は日本にまだ由緒正しい不良がいた時代だ。ガンを飛ばしあったり喧嘩はタイマンが基本の世界である。私はそういう不良がいる学校に通ったことはないのだが(良い子の皆さんしかいない軟弱学校出身)、母が中学で生活指導をしていた頃は、夜中に警察から電話がかかって来て出かけたり(生徒を引き取りに行くため)、そういう不良が家に遊びに来たりしていたし、私自身にも不良と呼ばれていた友人がいたりしたので、実際はそれ程恐い連中ではないということがわかっていた。が、アメリカの学校に関しては全く知らない。恐い話(愚息が通っていた高校のすぐ外に死体が転がっていたとか、ギャング同士の撃ち合いがあったとか)はニュースで見るくらいなのだ。知らないというのが一番恐いよね。

で、初登校日。保護者同伴のオリエンテーションの日のことである。狭い駐車場から校舎に向かって歩いていると・・・見上げるほど馬鹿デカイ男の子が遠くから愚息に向かって叫んだ!

生徒「お~い!フジ!フジじゃないかぁ!」(フジ=愚息の呼び名)
愚息「おお、○○、お前、まだこんなとこいたのかぁ!」
生徒「おお、まだ裁判終わってねぇから、鑑別所行きかどうか決まってねぇんだ。」
愚息「そっか、俺も今日からここ!」

・・・君、こんな所にも友人がいたの?それにしても、初日から大声で叫ばないで欲しい・・・目立ちたくない・・・私・・・

事務所で手続きをしている間も教室に入ってからも、愚息は色んな子に挨拶をしている。あごをちょっとしゃくって「ヘイ、マン!」で始まり、後は何を言っているのかどうしても聞き取れない、あの特有の挨拶である。

愚母「あれ皆知り合い?」
愚息「違うよ、○○だけしか知らねぇよ。」
愚母「だって、挨拶してたじゃない。」
愚息「目があったら挨拶してお互い敵意がないということを示さないとマズイじゃないか。」

・・・そっか、なにも怯えることはなかったのか、「甘やかされて育ったお坊ちゃまが、こんな学校に来て大丈夫かしら?」と夜も眠れないほど心配していたのだが・・・「お坊ちゃま」がこんな学校に送られてくるはずないよな。愚息だって立派な不良なのだ・・・ろう・・・きっと。甘えん坊のガキにしか見えんがな、私には。

ちなみに○○君は、その後すぐ裁判が終わり、少年鑑別所へと送られていてしまった。万一愚息がそこへ行ってもあんな大きな友達がいれば安心だね!

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これがValley Highだ!

Valley High School は、Valley Alternative Schoolの一部である。Alternative Schoolには様々なセクションがあるのだが、あまり良く知らないのでそこは省略。Valley High Schoolについて説明しよう。

Valley Highは3つのセクションに分かれている。

一つ目は登校拒否になった子が行くセクション。精神的あるいは肉低的理由で高校に通うことができない子が入ることができる。学校へ行くのは週1回だけ。学校でその週にやる教材を受け取って、家で勉強するのである。これも詳しいことは知らない。愚息はそういうものがあると聞いて「あ、俺そこがいい!」と言ったのだが、これは希望したからと言って入れてもらえるわけではないようだ。医者の診断書とかそういうのが必要なんだろうな。実は愚息、今年に入って数回心理学者の所へカウンセラーに通ったのだが(学校のカウンセラーが余りに怯えるので愚息に問題があるのかな?と思って行ってみた)、「いたって正常。これ以上通う必要なし!」と心理学の先生からもキックアウトされたので(この件に関しては後に詳しく書く予定)、このクラスに入る診断書は取れそうもない。

二つ目のセクション。ここは麻薬、喧嘩、万引きなどのトラブルと起こして高校をキックアウトされた子が行くクラス。少年鑑別所に入るほど悪くはない、ということらしい。う~ん、十分悪いと思うんだけど・・・多分殺人とかレイプとか強盗はやってないんだろう。なんとこのクラス、教室がない。外でお勉強をするのである。ほら、喧嘩とかになったら室内だと危ないでしょう。机とか本棚とかコンピュータとか転んで頭ぶつけたりするものが沢山あるし。(そういえば、私が小中学生の頃、喧嘩が始まると先生が「外でやって来い!」って怒鳴ってたなぁ。今はそういうこと、なくなっちゃったんだろうなぁ。)外に公園に置いてあるようなテーブルとベンチ(動かないようにナットなんかで止めてあるやつ)があって、そこでお勉強をするらしい。残念ながらまだ授業風景を見たことはないが、しっかりとセキュリティに見守られ授業をするそうだ。じゃないと先生だって恐いよね。しかし、現実は滅多に喧嘩は起こらないそうだ。(滅多に・・・決してではないところが良いね。)ここで真面目にやっていることが証明されれば三つ目のセクションへ上がることができる。(そして三つ目のセクションで真面目にやっていることが証明されれば普通の高校へ戻ることもできる。)

さて、三つ目のセクション。ここに愚息はいる。教室は・・・ある。ちゃんと建物の中で授業をやっている。教科ごとに教室を移動するのも普通の高校と同じである。ここは実に中途半端なセクションで、犯罪を犯したわけではないし登校拒否なわけでもない。なんとなく学校に行きたくない子とか、勉強なんてかったるいよなぁ、とか思ってる子、あるいは単なる馬鹿が行くのではないのかと思うのだが、本当のところはどうなんだろう?このままでは高校を卒業するのに単位が足りない、という子が行くケースが最も多いようである。愚息もオフィシャルにはこのケースに含まれる(実態は違うのだがその説明はまた次回)。

さて、この高校、最初から入学することは出来ない。普通の高校へ入ってトラブルを起こさないと入れないのである。が、三つ目のクラスはどうも学校側からの強制ではなく生徒のボランティアであるようなのだ。先生から「Valley行ったら?」と薦められて本人が了解した上で送られるそうなのである。

あれ?愚息は一体いつボランティアしたの?

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トイレに鏡がある!(2005.03.24)

と書いても何も不思議には思わないでしょう・・・ところが、私の知る限りではアメリカの公立高校のトイレには普通鏡がないのだ。鏡のあるべき場所にはステンレスの板張ってある。これが鏡の代わりである。

何故トイレに鏡がないのか?もちろん割って武器にするのを防ぐためである。これが公立高校に実態。ところがValley Highのトイレには普通の鏡がある。それだけじゃなくて、トイレが実にきれいなのである。壊れたトイレなんか一つもない。以前愚息が通っていた高校の生徒用トイレはとても入る気になれないほど汚かったですな。愚息もトイレがきれいだ!と感激している。

余談だが、最近またアメリカで生徒による高校内大量虐殺事件が起こり世間を騒がせている。メタルディテクタに引っかからずに校舎内に銃を持ち込む方法があるらしい。高校とは実に物騒な所である。(ちなみに愚息が以前通っていた高校にはメタルディテクタはなかった。比較的平和な学校だったのだ。)

で、話を愚息の学校のトイレの鏡に戻して・・・

愚母「ねぇねぇ、今日、学校のトイレに行ったら鏡あったよ。女子トイレにだけあるのかな?」
愚息「男子トイレにもあるよ。」
愚母「えっ?でも前の高校、なかったじゃない。」
愚息「Valleyにはトイレの鏡壊して武器にしようなんていう奴一人もいないよ。」
愚母「どうして?」
愚息「だって、みんな自分の持ってるもん。」
愚母「・・・」
愚息「今日、すっげぇナイフ、見せてもらった。」
愚母「そういえば、Valley、メタルディテクタ、ないね。門の横にセキュリティーも立ってないし。」
愚息「そういう生徒を刺激するようなことはしないの。」
愚母「・・・ふ~ん。」

ところで、トイレに鏡はあるが、ドアはない。もちろん個室にはドアがあるのだが個室のドアは上と下が開いている。座った時、脹脛から下位は見えるようになっている。アメリカのトイレはほとんどがこうなっている。(ドアの板を節約するためではない)が、トイレそのものに入る所にはドアが付いていない。したがってトイレの中に隠れることはできないのである。

ちなみに、Valleyには授業と授業の間に休み時間がない。とてもとてもとぉ~っても小さな学校なので、教室移動に時間がかからない。トイレに行きたい子は授業中に先生の許可を得て行く。しかも、一度に一人ずつである。二人以上が同時にトイレに行きたくなった場合、より信用がある生徒から優先だそうだ。理由は・・・書かずとも明らかだろう。

生徒「先生、便所行きてぇ」
先生「おお、行って来い。」
生徒、教室から出て行って、廊下で誰かと話しているが、先生から丸見え。
先生「おおい、○○(生徒の名)、そこ、トイレじゃないぞ!」と教室の中から叫ぶ。

というような会話も良く交わされるそうである。

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先生、ちょっと来いや!(2005.03.25)

A: Hey, B!
B: What?
A: Come here.
B: OK

授業中、先生と生徒との間で交わされた会話である。意訳になるが、愚息から聞いた感じを出して訳してみよう。

A: おい、B!
B: 何?
A: ちょっとこっち来いや。
B: うん。

ご想像通り、Aが生徒、Bが教師である。

いくらカジュアルなアメリカと言っても学校は学校である。以前の高校だったら授業中にいきなり教師を呼びつけたりすれば(しかも苗字呼び捨て!)即生活指導カウンセラーのもとへ送られる。ところがValleyでは、呼び捨てにされ上に呼びつけられた教師は実に自然な感じで生徒が座っているところへ飛んで行ったそうである。見ていた愚息は目が点になってしまったそうだ。

この教師、Valleyの他の教師と同様、決して生徒を恐れているわけではない。生徒も生徒だが、教師だって決して負けてないのだ。

実はこの生徒、2つ目のセクション、外のクラス(わからない人は23日の日記を参照して下さい)から中へ入ってきた子である。つまり、本人に勉強しようという意思があるということだ。そして、教師を呼びつけた理由は、わからない所を教えてもらおうと思ったからである。教師としてはたとえ高校生の学力の基準からすごく遅れていても、やる気がある子は応援してあげたい。礼儀知らないとか態度がデカいとかいうのは教師にとって実に些細なことなのである。わからないから質問する。おお、こいつはやる気があるんだ、と質問された教師は喜んで飛んでいく。生徒を卒業させたいと一生懸命なのだ。

・・・う~ん、良い学校だなぁ。

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校内禁煙 (2005.03.26)

ロスアンジェルスはレストランやバーを含む公共の場(建物内)は禁煙である。学校内はもちろん禁煙。構内はもちろん駐車場も禁煙。教師とて例外ではない。カリフォルニアは喫煙できるのは21歳からだし、喫煙者の数は年々減っている(と思う)とはいえ、不良高校生が煙草を吸いたがるのは万国共通のような気がする。

愚息は煙草を吸わない。煙草を買う金なんか持っていない。週末はレストランの皿洗いのバイトをしているのだが、それは車を買うためである。給料は全額貯金。遊びに行く金だって決して自分の稼ぎから出そうせず私から引き出そうとする。煙草なんぞに浪費する金があるはずがない。しかも色々運動をやっているため、煙草なんか吸ってる場合ではない。親に隠れて吸ってるんじゃないかって?・・・そういう奴ならそもそも高校をキックアウトなんかされてませんぜ!

また話がそれてしまった・・・で、不良高校生の喫煙。以前の高校では、愚息の友人ではないがトイレなんかで隠れて煙草を吸っている子はいたらしい。(愚息の友人でも喫煙している子はいたが、彼らは決して高校では吸わなかったそうだ・・・つっぱり兄ちゃんというより、しっかり喫煙者!)しかしValleyには生徒が隠れる場所は無い。

愚母「ねぇねぇ、Valleyの子って学校で煙草吸う子いないの?なんかいかにもいそうじゃない?」
愚息「煙草吸う奴はいるけど、学校で吸ってる奴はいない。」
愚母「煙草ってさぁ、すぐ中毒になるのに、我慢できるのかなぁ?昼休みに食後の一服したい子なんていないのかな?」(それじゃまるでおじさんだ!)
愚息「いない。あのねぇ、Valleyの良い子の皆さんはそんなことしないんだよ。校内で煙草吸ったら先生にも迷惑かけるし。」
愚母「ふ~ん」
愚息「昼飯の後、みんな学校の外に出て吸ってから戻ってくる。」

・・・なるほど。

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これがValley Highだ!:その2 (2005.03.29)

Valley Highは普通の高校とは違うので、仕組みを説明しておかなければわかってもらえない部分が多い。で、今回はちょっと説明の続きを・・・

Valleyには3週間毎に新入生が入ってくる。普通の高校からキックアウトされることが決まっても、入れる週が来るまで待たなくてはならない。入学(というか普通の高校からキックアウトされること)が決まったら、始まる週の前の金曜日に保護者と一緒にオリエンテーションに行く。オリエンテーションは午前7時半に始まる。まず、校長先生が10分ほどかけてざっと学校について説明した後、セキュリティが延々1時間以上も学校の規則について説明する。説明は服装から始まって、教師やセキュリティに対する文句の言い方までいたる。つまり・・・教師やセキュリティから不当な扱いを受けたと思った時は、直接文句を言わず、相手の上司に文句を言いに行け!というのである。校長に文句があるなら、学区のオフィスまで文句を言いに行け、というのである。そして、学区のオフィスの住所と電話番号を教えてくれる。至れり尽くせりなのだ。教師やセキュリティの方が正しいのだから逆らうなとか、目上の人を尊敬しろとか決して言わないところが良いね。

で、説明が終わると、それぞれの元の高校へ戻ってオフィシャルに退学して来るのである。

さて、Valleyは2部制になっている。午前の部は7時半から11時半まで。この4時間の間に5時間ある。つまり1時間が48分。(アメリカの学校ってどうしてこう中途半端な時間割りにするのだろう?)前にも書いたが、休み時間はない。午後の部は12時から3時12分までで、4時間。午前の部は混んでいるので、新入りはまず午後の部に入らなければならない。「午前の部に移りたい」と希望を出していれば、3週間毎にチェックして空きがあれば入れてもらえる。な~に、3週間たてばちゃんと空きはできるのである。まず学校に来なくなる子がいる。それから遅刻が多い子は午後の部に回される。3週間ごとにかなりの人数が午前の部からキックアウトされるのである。

午前の部が5時間あって午後の部が4時間なのは、午前の部には職業訓練が1時間あるからである。この科目、卒業後、医療事務やオフィス事務、警備員なんかをしたい人に必要な知識を教えてくれる。どれだけ就職に役立つかは知らないが、聞いていると中々役に立ちそうな科目である。(そういえば、愚息は元の高校で何故か自動車整備のクラスを取り、立派な修了証明書を頂いたのだが・・・彼はオイルチェンジも出来ないのではないかだろうか?)

その他に、クレジット・リカバリーという時間もある。これは午前の部の子は12時から1時まで、午後の部は11時から12時まで。それぞれの足りない単位の科目をここで補うことができる。(でもどうあがいても1学期で55単位は無理ですぜ)

愚息も最初の3週間は午後の部に通っていた。クレジット・リカバリーは必要ないのだが、この際取れる単位は取っちまえ!ということで、11時から3時12分まで学校に通っていた。(なんとアートを取っているらしい・・・主要科目は足りてるから取らせてもらえないそうだ・・・ってアートなんか卒業には全然必要ない単位じゃないか!始業が11時!思いっきり朝寝坊が出来る。夜中過ぎまでゲームができる。愚息にとっては夢のような3週間であった。

が・・・11時という私は通常仕事をしている。いくら在宅で自由な時間に仕事ができるといっても中途半端に仕事を中断されたくない。といって、私の車を持っていかれても困る。という訳で、午前の部に移らせた。

ということは、職業訓練のクラスも取らなければならない。これもまた必要はないのだが・・・午前の部の生徒は必ず取らなければならないそうなのだ。オフィス事務?医療事務?無理だな。警備員っつうのが良さそうじゃない?と思っていたのだが・・・

愚母「職業訓練、何取ったの?」
愚息「ウェブデザイナー」
愚母「えっ~!コンピュータ音痴の君がなんでそんなもの?」
愚息「Valleyじゃ、僕コンピュータに詳しい方なの。最初の3週間にあったコンピュータクラスで、僕皆に教えまくってたから、先生がウェブデザイナーのクラスが良いだろうって。あれ、コンピュータのこと知ってる子じゃないと取れないんだって。」
愚母「・・・君がコンピュータを使えるとはねぇ・・・で、そのクラス、何人いるの?」
愚息「僕、一人。」
愚母「・・・」

という訳で、愚息は今、朝7時半から午後1時まで学校へ行っている。これは・・・短い!愚息は喜んでいるが、送り迎えする私は実に迷惑である。

しかし・・・愚息があれでコンピュータの詳しいというのなら、私は天才じゃ!

さて、相変わらずクレジット・リカバリーのクラスではMDを聞きながらお絵かきをしているそうである・・・良いのかね、こんなんで。

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見学は死体保管所へ(2005.03.30)

ある日、11時半に愚息から電話がかかってきた。

愚息「母上、迎えに来てください。」(彼は何か頼みたい時には私のことを母上と呼ぶ。)
愚母「どうして?学校、1時までしょう?」
愚息「先生達が皆フィールド・トリップ(○○見学という奴ですな)に付いてっちゃった。」
愚母「君、連れて行って貰えなかったの?」
愚息「外のクラスの連中だけしか行けないの。」
愚母「で、君達は?」
愚息「先生いないから、帰っていいって。」
愚母「ふ~ん・・・で、外の連中、何処行ったの?」
愚息「モルグ」

えっ~!モルグ(死体保管所)!良いなぁ、そんなとこ連れてって貰えるんだ。私も行きたいなぁ!

しかし・・・高校の見学が死体保管所とは・・・「君達、このままじゃ、こうなっちまうよ。」とかの説明があるのだろうか?あるいは「こういう所で働くという手もあるよ。」とリクルートでもするつもりなのであろうか?

しかし・・・行きたい!行ってみたい!是非中を見てみたい!

夜、ダンナにその話をしたら、誰でも行くことはできるそうだ。中にはお土産屋さんとかもあるという。モルグのマークが入ったTシャツとか売ってるのか知らん?ちょっと欲しい。(モルグ饅頭はなかろう。)が、中の中までは見せてもらえないらしい。でも、先生の引率付なら見せてもらえる気がする。

ちなみに、その後、愚息達のクラスも見学があった。行き先は・・・近くのコミュニティ・カレッジであった。4年生はそこで半ば強制的に登録させられたそうだ。「お前ら、大学行け!」ということなのであろう。至れり尽くせりの高校である。愚息は3年生なので、まだ登録は出来ない。

愚母「君、3年生なのに行っても良かったの?」
愚息「わからんけど、学校いるより面白そうだったから付いてった。」
愚母「で、何やってたの、君は?」
愚息「学食のローストビーフ・サンドイッチがやたらうまかった。」
愚母「・・・ふ~ん。」

帰ってきた生徒達は、みんな手に手に大学の説明パンフレット等が入った袋をぶら下げていたが、愚息だけは手ぶらであった。ま、良いけどね。

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Valleyの生徒はデカイ? (2005.04.01)

Valleyへ行って驚いたことがある。生徒が皆大きいのだ。よく見ると中には小さな子だっているのだが、全体を見るとデカイ。圧迫感がある。愚息なんて・・・はっきり言ってチビだ!学校によって生徒の大きさが違うなんてことあるの?不良ってデカイの?が、もっとよく観察してみて原因がわかった。東洋人がほとんどいないのだ。

私が住んでる地域は東洋人が多い。引っ越してきた頃はそうでもなかったのだが、ここ10年で中国人と韓国人がどっと増えた。日本人はどこへいっても少数はである。(日本人が多いのはディズニーランドくらい?)従って、愚息が通っていた高校も東洋人が多かった。半分とまではいかないが、かなりいた。東洋人の中にも大きな子はいるのだが、やはり比較的小さい子が多い。それで私が学校へ行ってもそれ程違和感はなかったのだが、Valleyには東洋人はほとんどいない。生徒数が何人なのかはよくわからない。毎日通っている子は多分300人位なのではないかと思う。(前いた高校は全校生徒数4千人弱。)その中で東洋人はなんと3人しかいないそうだ。ほとんどがヒスパニックと白人。(ちなみに黒人は一人しかいない。)一方、教師の人種は様々だ。

こちらの高校生は人種同士で固まる傾向がある。で、少数派が入ってくると教師達はその生徒が孤立していないか気をかけてくれるらしい。友人が出来ないと学校に来るのが嫌になって止めてしまう子が多いからだそうだ。ほんと行き届いてるんですよねぇ、この学校。小さいからかしら?

という訳で、愚息が入学した時も、英語の教師が気をつけていてくれたそうだ。が・・・

「誰とでもよくしゃべる子ですねぇ。」

・・・そういう子だよ、アイツは。

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心理学カウンセラー (2005.04.03)

心理学カウンセラー・・・psychologistである。psychiatristとの違いがよくわからない。psychiatristは処方箋が出せてpsychologistはカウンセラー出せないということは聞いたことがある。ドラッグやアルコール中毒患者はpsychiatristの方へ行くらしい。精神病患者だけが行くというわけではない・・・らしい。それともアル中って精神病の一種なの?ニコチン中毒はどっちだ?

愚息がトラブルを起こした(というか怯えさせた)相手は高校のカウンセラーだけではない。彼はファミリードクターとも相性が悪くて、彼女も怯えさせたことがある。で、この二人から「アンガー・コントロールのカウンセリングを受けた方が良い」と言われたのである。医者の方は現場に私もいたのだが、私にすればカウンセリングが必要なのは医者の方である。(言いませんでしたけどね、恐いから・・・愚息がへらず口を叩いて、彼女を逆上させてしまったのだ。愚息は怒鳴るどころか大声を出しさえしなかった・・・が、実に巧みに相手の痛いところを付きながらしゃべりまくっていた。本当にイヤなヤツなんだ、愚息は)

実は私は、愚息はアンガー・コントロールが結構上手いのではないかと思っていた。あれはどこから見えても相手を怒らせる、あるいは怯えさせるためにわざとやっているとしか思えないのだ。ここぞという時に、得意の怒りの表情を出す。自分でコントロールしてやってるとしか思えない。(3秒後にはもう普通にしゃべってるもん。)が、彼もティーンエイジャーではあるし、本人はロッカー気取りもしているから、「怒り」は彼らのパワーのはずで・・・人並みに身体の中には「怒り」が詰まっているのは事実であろう。

彼にアンガー・コントロールのカウンセリングが必要かどうかはわからなかったのだが、人から受けた忠告には素直に従う私であるから、「健康保険が利くなら行って見るのも悪くはなかろう。」と保険会社に電話で聞いてみた。すると・・・1年に50回までは保険が払ってくれるそうである。ふ~ん、そんなもんなんだ。

で、愚息に聞いてみた。

愚母「ねぇねぇ、心理学カウンセリング、保険で払ってもらえるんだって。行って見る?」
愚息「僕、そんなの必要ないけど、母さんがそれで安心するなら行っても良いよ。」

という訳で、今年に入ってから愚息と二人で行ってみた。

ほら、映画なんかで良く出てくるでしょう?患者さんがソファに寝転んで、隣で医者(一応彼らはドクターなのだそうだ)ふんふんと話を聞くやつ。あれ、一回実際に見てみたかったんだよね。(好奇心を満足させるために保険会社に金を出させようとしている。)

ところが・・・行ってみると、ソファはあるが、患者は横になる訳ではない。応接セットが置いてある普通のオフィスだった。実はここ、愚息が小学生の時に一度来たことがある。愚息が「僕は頭が悪い!だから成績が悪くて当然だ!」と言い張るので、普通の知能があることをオフィシャルに証明してもらうためにIQを調べてもらいに来たのだ。(結果は・・・天才ではなかったが決して低くはなかった・・・ってそんなの調べなくてもわかるわい!)で、最初は親子面接。

医者「どうしてカウンセリングを受けることにしたのですか?」
愚母「医者と学校のカウンセラーにアンガー・コントロールが必要と言われたので」
愚息「母さんを安心させるために。」
医者「カウンセリングが必要だと思いますか?」
愚母「いや、それを先生に判断してもらおうと思って来たんです。」
愚息「いやぁ、いらないでしょう。」

なんかよくわからん面接であったが、愚息は週1回カウンセリングに通うことになった。1回30分、100ドルだそうだ。保険で払ってくれないんだったら絶対行かないよな。

実は愚息、心理学に興味があるらしい。去年高校のプレップ・クラスで心理学を取っているし、カウンセリングに関係があるサマー・キャンプなんかにも行っている。世界征服を企んでいた(まだ企んでいるのか知らん?)彼としては元々洗脳に興味があったらしいのだが・・・それは化学に詳しくないといけないとわかったらしく、諦めたらしい。が、心理学そのものにはまだ多少興味があるらしい。

実際のカウンセリングには私は参加させてもらえない。親がいると親の悪口言えないもんね。1回目は「結構面白かった。授業で習ったことそのまんまなのな。」と喜んでいた彼だが、2回目には「先生が言うこと、もう習ったことばっかり。来週は母さんも先生と話すことにしてきたから」と言う。どうして私が参加するの?と聞くと、来週でお終いにするから、先生から母さんに説明してもらうため、だそうである。えぇ~!たった2回でお終い?

で、わずか4回目にして最終回・・・

医者「えっと、どうしてお子さんはここに来たんでしたっけ?」
愚母「医者と教師に行けって言われたからです。」
医者「学校で何か問題を起こしたんですか?」
愚母「さぁ、具体的なことは何も聞いてませんけど。」
医者「その教師や医者の方に問題があるんじゃないですか?」
愚母「・・・?」
医者「お子さん、普通の子ですよ。アンガー・コントロールも他のカウンセリングも全く必要ありません。健全な精神の持ち主です。ま、本人が来たいっていうのなら続けても良いですけど。」
愚母「いえ、先生にそう言い切って頂けたら私はそれで満足です。」
愚息「僕は必要ないけど・・・母さん、通ったら?」
愚母「なんで!」
愚息「母さんの心配性、治してもらったら?そしたら僕、随分楽になるんだけど。」

ほっといてくれ!母親っつうのはそういうものなの!

しかし・・・もしかして、愚息はここでもあの得意技で心理学の先生を苛めたのではないだろうか?カウンセリングからもキックアウトされたとか・・・大いにあり得る!

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『DOTMANの思い出:その9』に続く。