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DOTMANの思い出:その9

DOTMOBILE2号

DOTMANの不良時代:パート2

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家族揃ってオープンハウス (2005.04.04)

アメリカの学校には個人面接とは別にオープンハウスというものがある。個人面接は通常体育館に教師がずら~っと並んでいて、保護者が話したい先生の所へ行って個人的に話をするのだが、オープンハウスというのは、それぞれの教室に教師がいて、子供が取っている科目の教室へ保護者が行って、教師から生徒がどういうことを学んでいるかの説明を受けるというものである。たいていは新学期が始まって2、3週間以内に行われる。個人面接にしてもオープンハウスにしても、生徒は行かない。行くのは保護者だけである。つまり、学校が大人だけの世界になってしまうのだ。ところが・・・

3月23日にValleyのオープンハウスがあった。Valleyに来てる子の親は子供のことに無関心な親がほとんどだろうから、早く行かなくても駐車する場所がないなんてことはないだろう、と思って時間通りに行ってみたら、案の定、駐車場はガラガラだった。中も・・・ガラガラだった。

という訳で、普通の学校のオープンハウスのように、保護者が生徒の席について、先生が教室の前に立って説明をする、なんてことをやるほど保護者の数がいない。形式は個人面接である。が、どの教室へ行っても待たされるなんてことはない。う~ん、さすがValley。親なんて誰も来んわい!っつうか彼ら、親、いるのかい?というのは冗談。大勢ではないが、他の親も来ることは来ていた。

空いているので、全部の教室を回るのにそれ程時間はかからなかった。まず教室に入って「ちゃんと来ましたシート」にサインをする。学校側もなんとか親を来させようとして、親がサインインするとエキストラ・ポイントを貰える仕組みになっている。その後、教師と話をするのだが、話と言っても、挨拶をして、「えっと、お宅の息子さんは・・・ああ、大丈夫、毎日来てます。」で、お終い。実に簡単。

理科のクラスへ行ったらサインインする紙が置いてなかった。気にしないで教師としゃべっていたら、女の子が母親と一緒に入ってきた。母親はドアの横に立ったまま一言も口をきかない。挨拶すらしない。で、娘の方が教師につかつかと歩み寄り・・・「先生、サインアップ・シートないよ。」「あ、忘れてた。」と教師は白紙の紙を机にポンと載せて「これでいいかい?」「うん、先生、ペン」先生にペンを渡して貰ったその子は、自分の名前と親の名前を紙に書き込んで・・・出て行ってしまった。母親も彼女について出て行ってしまった。あれ、親がサインしなくても良いんかい?それにしても・・・挨拶くらいしろよ、親!

社会の教室に行くと、先客がいた。今度は男の子と父親。どうしてここは皆生徒同伴なわけ?と思って見ていると・・・先生は生徒に向かって話している。そして・・・生徒が親にスペイン語で通訳をしていた。そっか、彼ら、英語がわからないわけね。それで生徒同伴なのか。

さっさと終わったので、帰ろうと思って出口の所へ行くと、小学生らしき子が5、6人たむろしている。比較的大きい子は赤ん坊を抱いている。親らしき人の姿は見えない。何だ、何だ、この子達は何なんだ?

偏見だと思う。こういうことを書いてはいけないんだと思う。だけど・・・メキシカンってどうして何処へ行くにも家族全員引き連れてくの?小学生の頃からこんな学校連れてきてると、自分もここに来よう!って思っちゃうよぉ。

さて、駐車場に行くと、私の車の隣に止まったばかりの車から母親らしき人が降りてきた。次に彼女の娘の高校生らしき子が下りてきた。そして彼女はトランクから乳母車を取り出すと、後部座席から彼女の娘らしき赤ん坊を取り出して乗せた。きっと生徒の娘なんだろうな、この赤ちゃん。こりゃ家に置いてくるわけにはいかんな。

ちなみに、学校にもお腹の大きな生徒はもちろん、「可愛いでしょう!」と自分の赤ちゃんを連れてくる生徒もいるそうである。

妊娠しても、子供産んでも、高校は卒業しよう、という意気込みは認めよう!でも、授業中に授乳はして欲しくないなぁ・・・まさかいないだろうなぁ、そういう子。

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スーパーシニア (2005.04.11)

カリフォルニアの高校は4年制である。大学と同じで1年生がfreshman、2年生がsophomore、3年生がjunior、4年生がsenior。日本の中学3年生から高校4年生に当たる。日本は6・3・3だが、カリフォルニアは6・2・4。5・3・4と分けている学校もあるが、合計で12年なのは同じ。これにkindergarten(小学に付属している前小1)の1年を加えて、合計13年が義務教育だ。

アメリカには飛び級なる制度があるということは有名だが、公立高校にはない。これは中学までの話である。高校は大学と同じで、卒業までに必要な単位を取ってしまえば良い。3年間で4年分の単位をほぼ取ってしまうのは可能だが、それは飛び級とは違う。何年生でどれを取っても良いのだ。(もちろん、数Iを取ってからでないと数IIは取れないとかいう決まりはある。)だから1年生と4年生が同じクラスということもある。(愚息の従兄弟に2歳違いの兄妹がいるが、兄の方がseniorの時、妹とほとんど同じクラスだった・・・出来の良い妹を持つとこういうことになる。)

それでは3年で必要な単位を取ってしまい、さっさと卒業できるか、というとそうはいかない。英語はしっかり4年間取らなくてはいけないし、社会も政治・経済はseniorにならないと取れないからだ。この2科目だけ取って後はバイトに勤しんでいるseniorというのもいる。遊びまわっているヤツもいる。そして、高校の間に大学の一般教養の科目を取りまくっている子もいる。(高校生の時にコミュニティ・カレッジというところで大学のクラスを取れば授業料は無料。大学は義務教育ではないので、公立であっても授業料は払わなくてはいけない。しかも、授業料は1科目いくら、取っている科目数によって授業料が変わってくる。)「4年も行くの、かったるいなぁ」という子は高校卒業資格テストを受けるという手もある。合格すれば高校に行かなくても大学へ進学できる。(が、余程優秀でない限り18歳以下を受け入れる大学は少ない。)

さて、飛び級もないが落第もない。4年間高校へ通ったが、必要な単位を取れなかったという子は・・・放校である。所謂ハイスクール・ドロップアウト(高校中退)。アメリカに高校中退が多いのはこれが原因なのではないだろうか?義務教育の割には冷たいのね!つまり、高校には19歳以上の子はいない、ということである。(病気などで長期欠席をした子は19歳以上ということもあるが、彼らは落第をしたのではない。)

が、Valleyでは・・・
クラスメイトA「お前一体いくつだよ?」
愚息「俺?17」
クラスメイトB「おお、17!若いなぁ。俺なんてもう二十歳だぜ!」
クラスメイトA「俺も。」

Valleyには何故か19歳以上の高校生が存在する。彼らSuper Seniorと呼ばれているそうだ。

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お前が犯人だったのか! (2005.04.12)

愚息が普通の高校に入学した年、学校で爆弾事件があった。誰かが学校に爆弾を仕掛けたというデマが飛び交ったのだ。9月11日近くのことだったので本当だという可能性は大きい。生徒は全員校庭へ、爆弾スクワット(っていうのかな?)がやってきて3時間以上かけて校内に爆弾がないか調べたそうだ。で・・・そんなものはなかった。

時は流れ・・・つい先日、愚息と同じ高校からキックアウトされた先輩がお外のクラスから中のクラスへ移ってきた。

先輩「お前、何やってキックアウトされたん?」
愚息「いやぁ、よくわからん。お前は。」
先輩「俺?俺、以前爆弾作りに凝っててさぁ。学校に自作の爆弾持ってって友人に見せたのがばれた。」
愚息「いつ?」
先輩「2年くらい前。」
愚息「それってもしかして、爆弾スクワットが学校に来た時のこと?」
先輩「そうそう。俺が爆弾持ってったのはもっと前なんだけどな。だからあん時は持ってなかった。でも、大騒ぎだったよなぁ、迷惑かけたな。」
愚息「いや、授業が潰れて楽しかったけど・・・お前が犯人だっだのか!」

なるほど・・・火の無いところに煙は立たない。

ちなみに彼はもう爆弾作りは止めたそうである。今は別のことに凝っているそうである。随分危ないヤツである。危ないヤツではあるが・・・方向さえ間違えなければ結構優秀な科学者になるのではないだろうか?

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ヤバイ仲間 (2005.05.02)

愚息がオフィシャル不良高校Valley Highに通い始めて2ヶ月が過ぎた。その間、色々と興味深い体験をしたらしいが特に問題も起こさず(まだ学校から呼び出されたことないもんね!)無事毎日が過ぎて行った。が、親しい友人というのはいないらしい。学校では楽しく遊ぶ(休み時間もないのにいつ遊んでるんだ?)仲間はいるらしいが、放課後や週末に遊んでいる子達にValleyの子はいない。そんなある日の放課後、愚息が車に乗り込んでくるなり「今日はヤバイやつらと友達になっちまったぜ!」と言った。「えっ!ヤバイやつら?どういうふうにヤバイの?」と流石の私も久々にドキッとしてしまった。

愚息が教室にいると、フードのついた黒のジャケットを着た子が入ってきた。彼はフードを被り、低い声でこう言った。
“Join the dark side.”
そこでフンっと笑ったり馬鹿にしたりすれば良かったものの、愚息は条件反射でついつい・・・
“No! Dark side only leads your destruction!”
と叫んでしまったそうなのである。「しまった!」と思った時にはもう遅い・・・気がついた時には、スター・ウォーズ・ギーク(おたく)達と話が盛り上がっていたそうである。

「面白いヤツならどんなヤツでも友達になるんだけどな・・・ギークとだけは友達になりたくなかった!感染したらどうしよう?」(ギークは病気か?・・・ま、一種の病気ではあるな。)と言いつつ、Star Wars Galaxies(PCゲーム)の攻略本なんぞを学校に持っていく愚息であった。

愚息はこうもりさん(誰とでも仲良くなれるが、一つのグループに所属するが嫌い・・・実は私も同じ)なので、彼の友人達も実にバラエティに富んでいる。が、確かにナードやギークとはこれまで縁がなかった。というか、愚息はどうもそういう人種が苦手らしい。でも・・・良いんじゃない、ギークなお友達がいたって。

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麻薬捜査犬 (2005.05.08)

アメリカの高校には抜き打ち麻薬捜査というものがある、ということは知っていた。ある日突然、警察官が麻薬捜査犬を連れてやってくる。そしてランダムに教室を回って麻薬を持っている生徒がいないかチェックする。実際に見たことはないが、愚息が前の高校にいた時に、彼の教室に麻薬捜査犬がやって来たことがあったそうだ。といっても、そこはほれ、愚息が以前通っていた高校は普通の高校である。麻薬捜査といっても、警察官が犬を連れてぐるっと教室を回ってお終い、という簡単なものだったらしい。犬は教室に入ってから出て行くまで、沈黙したままであった。ま、現実はそんなもんさ。放課後、誰それが捕まったという噂は流れるらしいが、どこまで真実かはわからない。

先日Valleyにも麻薬捜査犬がやって来たそうだ。「ここはValleyだ!誰か何か持っているに違いない!誰が捕まるのかなぁ?どんなふうに発見されるのかなぁ?」と愚息は興味津々で見ていたそうだ。

麻薬捜査犬はハイになっている子や1回分くらい麻薬を持っている子がいると、その子の前に座って「ワン!」と一声吠える。人に売るほど多量の麻薬があるとその前で「ワンワンワン!」と何度も吠えるそうである。・・・偉いなぁ!

で、Valleyである。犬はワンワンとあちこちで吠えまくり、クラスの半分以上が教室から連れ去られていったそうである。廊下には各教室から出された生徒で溢れかえり、授業どころではない。手錠をかけられてパトカーで連れて行かれる生徒もいたらしい。う~ん、流石はValleyだ!

愚息が目を点にして眺めている間、クラスメイトが麻薬について講義してくれたそうである。彼ら(売人)はValleyで売るために学校に持ってきているわけではない。放課後他の高校へ売りに行くために持っているそうなのだ。(そりゃそうだ。売人の巣であるValleyで売ろうったって無理だよな。)で、捜査の時の隠し場所、隠し方、良質の麻薬の見分け方や名称、等等、随分詳しく説明してもらったらしく、復習のつもりか、家に帰ってきて私にも詳しく説明してくれた。

ところで、こちらには学生鞄というものはない。みんなバックパックを持って学校へ行くのだが、Valleyではバックパックを持っている子がほとんどいない。というか一人も見たことがない。家で勉強なんぞはしない子達ばかりだから、教科書は学校に置きっぱなし。バインダー一つ持っていれば良いということもあるのだが・・・バックパックを持っていると、麻薬捜査があった時に事前に隠しそこなった子からバックパックの中に突っ込まれることがあるから危険だ、という理由もあるのだそうである。知らない内にバックパックの中に麻薬を突っ込まれ、そこで見つかった場合、「僕のじゃない!」なんて言い訳は一切聞かないのがValleyなのだそうだ。(普通の高校だったら十分言い訳になるらしい。)

・・・う~ん、勉強になるなぁ。

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卒業式の季節 (2005.06.18)

6月は卒業式のシーズンだ。あちこちで高校の卒業式が行われている。もちろん大学の卒業式も6月に行われるのだが、アメリカでは高校卒業というのはビッグ・イベントなので、テレビのニュースにもなる。何故高校卒業がそれ程ビッグ・イベントなのか。アメリカでは高校を卒業すると一人前と認められるからである。というか・・・ビッグ・イベントにしているのは卒業生ではなく親の方なのではないかと思う。つまり、子供が高校を卒業したということは、扶養義務から解放されたということなのである。そこから先の人生は子供が自分で決める。大学へ行くのも自力で行くのが当然。親から学費を出してもらう場合、肩身が狭い思いをしなければならない。誰に対して?もちろん親に対してである。高校までは親が養うのが当然。子供は大きな顔をして親の世話になれる。反抗反発口答え、何でもあり。ところが高校を卒業してしまうと、反抗も反発も口答えすらできなくなる。「出て行け!」って言えるもんね、親は。

では、実際に高校卒業すれば子供は自立するか、といえば、世の中そんなに甘くない。昔と違い大学へ進学する人の数が増え、奨学金を得るのが難しくなって来ている。おまけに授業料は異常に値上がりしている。アパート借りるにも家賃が馬鹿高い。という訳で、自立して大学へ通っている子なんて、よほど頭の良い子だけ。(フル・スカラーシップを取ると授業料だけでなく生活費まで出してもらえる。)ほとんどは何らかの形で親に援助してもらっている。(2年ほど軍隊へ入るという手もあるが。)でもまぁ、「親に面倒見てもらって当たり前」という子はいないかな?バイトをしていない子もいないようだ。それなりに肩身の狭い思いをしているのだろう。愚息なんぞは今から「僕、お家大好き。母さんも大好きだよ!」と「出て行かない、面倒見てくれ」運動を始めている。

で、愚息の通っているオフィシャル不良高校でも16日に卒業式が行われた。卒業式は、親が出席できるように夜行われる。(普通の高校も同じ。)なので愚息には関係がなく、普通通りに迎えに行ったのだが、いつもはガラガラの駐車場がとても混んでいる。私が車を止めて待っている間にも、派手にクラクションを鳴らしたり、わざとキィーという音を立てたりして車が入ってくる。なんかもの凄い騒ぎである。セキュリティーや校長先生達もみんな駐車場に出てきている。一体これは何なんだ?!と愚息に聞いてみた。

彼らは・・・16日をもってオフィシャルにハイスクール・ドロップ・アウトになった連中だったのである。つまり卒業出来なかった連中。しかも18歳になっているので、高校を卒業するチャンスはもうない。アメリカの高校に留年はないのだ。この先学生を続けようと思ったらアダルト・スクールへ行って高校卒業同等資格というものを取るしかない。が、これは高校卒業資格とは格が違う。が、彼らは決して落ち込んでいるのではない。これ以上学校へ通わなくてよくなったので喜んでいたらしい。親がなんと言おうが、勉強を続ける必要はない。もちろん、この後も親に養ってもらおうなんていう柔な連中でもない。いやぁ、不良君達はたくましいですな。ちなみに、Valley High Schoolの本年度の卒業生はわずか12名だったそうだ。ほとんどがドロップアウト!

さて、愚息にドラッグ講義をしてくれていた子はその12人の中の一人だった。結構真面目な子じゃないか!が、彼はこれから・・・2年間刑務所へ行くそうだ。罪状は?もちろん麻薬売買。18歳になっているから少年院には入れない。が、裁判所が卒業するまで待つように取り計らってくれていたのだそうだ。「寂しくなるなぁ」と愚息はちょっとがっかりしている。

おまけ:最近わかったのだが、お外のクラスの連中、彼らはValley High Schoolの生徒ではなかった。同じキャンパスにいながら、別の名前(何ていうか忘れちゃった)を持つ学校なのだ。彼らは既に高校をキックアウトされているのだが、18歳になっていないので、高校に戻れる可能性がある連中。そこに在学したまま18歳になった場合、高校卒業単位を全て取っていても高校卒業資格は貰えない。なんだか変な仕組みだなぁ。

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皆さん!高校、始まってますよ! (2005.09.13)

愚息の通っている高校(ご存知オフィシャル不良高校Valley High School)は先週の火曜日から新学期が始まった。愚息のクラスは8時15分から始まるのだが、その日はダンナの透析液が配達されてくる日だったので8時半までには家に戻っていなければならないので、8時に愚息を連れて行った。駐車場がガラガラ・・・相変わらずギリギリにならないと学校に来ない奴らだなぁ。と思って、愚息を落として家に帰った。学校は1時50分に終わるので(何故こんなに遅く始まって早く終わるのかは、明日説明します。)、迎えに行ったら、やはり駐車場はガラガラだった。

翌日の送り迎えの時は、前日よりもちょっとだけ車の数が増えていた。迎えに行った時、校舎から出てくる生徒の数も前日より心なしか増えている気がした。

で、木曜日。朝はそれ程でもなかったのだが、帰りに迎えに行ったら駐車場は一杯。路上にもたくさん車が止まっていた。6時間目が終わる時間になると、校舎から生徒がゾロゾトと・・・何だ何だ、この生徒の増え方は何なんだ!もちろん増えたと言っても普通の高校に比べると少ない。が、夏休み前よりちょっと少ないかな、という位の生徒数である。当たり前と言えば当たり前なのだが、では、前2日間の生徒数の少なさはなんだったの?

愚母「ねぇねぇ、生徒の数、一昨日より昨日の方が増えてて、今日ぐ~んと増えてない?」
愚息「増えてるよ。」
愚母「どうして?」
愚息「今頃学校が始まったのに気づいた生徒が多いから。まだ気づいてないのもいると思う。でも、初日から来てた生徒の中にはもうサボり始めたのもいるよ。」
愚母「・・・そういう高校なんだね。」
愚息「うん、そういう高校なの。」

・・・ま、いっか。

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愚息の時間割 (2005.09.14)

愚息は態度も悪いが成績も悪い。何しろ学校や勉強が大嫌いなのだから悪くて当たり前である。落とさないギリギリ最小限のことしかやらない。現時点での成績を把握して、上手い具合に落とさない程度に持っていく。(中間テストは全然勉強せずに臨み、中間テストの結果を見て平均点が60点になるように期末テストの勉強をしていた自に分の姿を思い出しますな。)が、ギリギリ最小限のことしかやらないということは、ギリギリ最小限のことはやっているということなので、それほど単位を落としているというわけではない。愚息が単位を落とすのは大抵の場合教師を怒らせてクラスからキックアウトされるのが原因である。

さて、高校を卒業するには全部で220単位取らなくてはならない。(他に高校卒業テストというのもパスしなくてはならない。)1日に6時間でスケジュールを組むと1年で60単位取ることができる。3年間で180単位を取り残りの40単位を4年生で取る、というのが基本パターン。1日8時間にしてサマースクールも行けば1年で90単位を取ることも可能。ただし英語4と政治・経済は4年生にならなくては取れない。時間割は生徒が学期前にカウンセラーと話し合って組むことになっている。

で、愚息の時間割である。ギリギリ最小限で3年間やって来た愚息は最低の成績と言えども少なくとも180単位は取っていたはずである。残りは40単位くらいだろうと思っていた。1年間に40単位なら前期・後期それぞれ20単位づつ、1日4科目取れば良いことになる。が、愚息がもらってきた時間割はちゃんと1日6時間。前期に30単位を取って後期は2科目だけ残すの?それとも・・・私が愚息を買いかぶりすぎていただけで、実は彼は全然単位を取れてなかったのか?いやぁ~な予感・・・

愚母「君、4年生になってもフルで学校行かないといけないほど単位残してたの?」
愚息「えっ!そうなの?」
愚母「だって、時間割、びっしりじゃない?」
愚息「そうなんだ・・・ふ~ん・・・そうだったのか・・・」
愚母「自分で全然わかってない?」
愚息「うん、わかってない・・・先生に聞いてくる。」
と言って、愚息はカウンセラーの所へ駆けていった・・・

・・・そして、戻ってきた。
愚息「あのさ、僕、卒業までに後30単位しか残ってないんだって。」
愚母「じゃ、1日6時間だったら前期で取れちゃうじゃない・・・落とさなかったら。」
愚息「うん、だから半年早く卒業するように時間割組んだんだって。」

普通Valleyに送られてくる子供は確実に単位が足りない子である。4年生にもなって100単位以上残っているなんてざらである。そういう子達はValleyで1日8時間取り、夜はアダルト・スクールに通う。4年間で単位が揃わなければ『高校中退』なのだ。落第は無い。普通の高校に通うよりたくさん単位が取れるシステムになっているのだ。だからValleyに来る。が、愚息は単位が足りているのにカウンセラーの陰謀でValleyに送り込まれたのである(詳しい事情は2005年3月28日を参照)。しかしそういう事情はValleyのカウンセラーは知らない。知らないが単位が足りてる子がValleyへ送られてきた・・・きっと早く卒業しなければならない事情があるに違いない。それじゃ・・・ということで愚息の時間割を作ってくれたらしい。

愚母「半年早く卒業することなんて出来るんだ。良かったね。早く卒業してたら早く働けるね。半年間は働いても生活費入れろなんて言わないから、稼いだお金全部使って自分の車買っていいよ。うん、良かった、良かった。」
愚息「えっ、先生に言ってクラス減らしてもらって来たよ。僕、早く卒業するのイヤだもん。」

かくして愚息の学校は朝8時15分に始まり午後1時50分に終わる、というスケジュールになってしまったのである。

誰が送り迎えしてると思ってるんだ!

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おかえりなさい、〇〇君! (2005.09.28)

愚息がオフィシャル不良高校Valley Highに初登校した日、大声で愚息に話しかけてきた子がいた。愚息の友人である。(詳しくは3月31日の日記をご覧ください。)愚息がValleyに通い始めてほどなく少年鑑別所へ送られていった「見上げるほど馬鹿デカイ男の子」である。背も高いが幅も凄い!日本人の想像を超えるデブ!愚息が後ろにすっぽりと隠れるほどである。私は決して痩せてはいないのだが(私の両親は私のことをデブというが、私は認めないぞ)、私なら二人は隠れられる。しかも固そうだし、結構機敏に動く。が、決して乱暴な子ではない。明るく楽しい子なのだ。少年鑑別所へ送られたのだって暴力が原因ではない。麻薬である。明らかにハイな状態で学校へやって来て、面白いことをやらかす子だったそうである。単位も落としまくって(当たり前だ)裁判で判決が出るまでの間しばらくValleyにいた時に愚息と再開したのだ。一度「フジが僕に言っちゃいけない言葉使っていじめるんですよぉ~。」と言いつけに来たことがある。(もちろん冗談である。)そんな彼が無事半年間のお勤めを終えてValleyに帰ってきた。

なんと・・・痩せていた。幅が2/3ほどになっていた。いや、まだデカいのだが、それにしても随分痩せた。以前より格段強そうである。しかも、少年鑑別所には麻薬もなかったのだろう、お勉強の方もどんどん進み、取っている単位が愚息より多かったそうである。

良かったね、○○君。これからも愚息をよろしく!

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学校嫌い (2005.09.29)

愚息は学校が嫌いである。小学校の頃から嫌いだった。勉強は嫌いだが学校は友達と会えるから好きだという子は結構いると聞く。が、愚息は勉強も嫌いだが学校はさらに嫌いなのである。関係無いが、私の姪に中学に入るまで学校は勉強するところであるということがわかってなかった子が一人いる。「ここまでいくと大したもんだ。」と兄は感心していた。義姉は笑っていた。子供の成績には無関心な人達なのだ。(とても教師とは思えませんな。)で、愚息である。学校は嫌いだが登校拒否ということはない。授業中はほとんど寝ているとはいえ、取り合えず出席だけはしている。以前、普通の高校にいた時は、あっちでつっかかり、こっちでつっかかり、という具合に一度に多数の教師を敵に回していたのだが、今の高校では、トラブっている教師は一人しかいないらしい。・・・一人はいるということだな。

愚母「もう、いい加減に諦めて、大人しくしてたら?」
愚息「いや、今年で最後だから、徹底して逆らう!」
愚母「どうして今年で最期なの?」
愚息「高校出たら、『嫌なら辞めろ』でおしまいの世界に入って行かなくっちゃいけないから。自分より上の立場にいる人に逆らえるのはこれで最後だ!」

気合入ってるねぇ。何度も書いたが、アメリカでは高校までが義務教育である。大学に進学するにしても就職するにしても、自分が望んでやっていることなので、逆らうヤツは切られる。高校最後の学年にいる愚息も、彼なりに考えているのだろう。でも、今の高校追い出されたら、もう行くとこないぞ!

というわけで、毎朝同じような会話が交わされるのである。

家を出る時・・・
愚母「学校、行くよぉ~!」
愚息「いってらっしゃ~い!」
君が行くんだよ、君が!

学校に着いてから・・・
愚息「また学校かよ。」
愚母「またってどういう意味?」
愚息「昨日行ったばかりじゃねぇか。」
愚息よ、最後の年だぞ!学校とは毎日行くもんだとそろそろ学べ!

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『DOTMANの思い出:その10』に続く