1.サマー・スクール
さて、無事卒業ウィークを終え、愚息は中学校を卒業した。さぁ、夏休みだ!と言いたいところだが、今日から高校のフットボールの練習が始まる。
ところで、日記に頻繁に登場するフットボールとは『アメリカン・フットボール』のことである。『サッカー』のことではない・・・念のために。
フットボールの練習は朝の7時半から9時15分までだ。ということは・・・朝、愚息を送って行くために7時に家を出る。真っ直ぐ帰ってきても家に付くのが8時頃。で、1時間もしない内にまた迎えに行かなくてはならない。う~ん、これは時間の無駄だぞ!
という訳で、ついでにサマースクールのコースを取って来い!ということになった。が、愚息はまだ入学手続きをしていない。ということはサマースクールには出席できない。困った・・・という訳で、知り合いのフットボールのコーチ(この人はvarsityのコーチなので愚息のコーチではない)なんとかならないか、と聞いてみることにした。すると「なんとかしてやるから、朝6時半に学校に来い。」と言われた。
ひえ~っ!
言われた通り、6時半に学校に行ってみると、サマースクールに登録しようと(早めに登録してなかったのだろう)生徒達がウヨウヨしているではないか!アメリカ人って早起きなんだなぁ。
ま、時間つぶしが目的であるから、科目はなんでも良かったのだが、頼んだコーチが勝手に(なんて言うと申し訳ないな)9年生の英語の復習コースを取っていてくれた。愚息は9月から9年生になるんだけどなぁ・・・そういうの取っても良いの?とちょっと心配。
ところが・・・帰って来た愚息は、「メチャクチャ簡単」なんぞと嘯いていた。英語は愚息が苦手な科目の一つである。(ちなみに愚息が苦手なのは英語・算数・科学である・・・って主要科目のほとんどだ!)
そんな愚息が「メチャクチャ簡単」?何故だろう・・・あっ、わかった!これは単に想像でしかないのだが・・・
多分、このコース、9年生で英語を落とした子達が取らなければならないコースなのではないだろうか?公立高校で単位を落とす、ということは、出席日数が足りない場合と宿題を提出していない場合を除外すると、「こりゃもう全くダメだ。話にならん。」ということである。真面目に出席して宿題さえ出していれば、Dはもらえるのだと思う。読み書きもろくに出来ない子達が集っているのであろう。流石の愚息も、そういう中に入れば「出来る子」であるらしい。
そういうコースを取らせるのはどういうものだろうか?でも、止めちゃうと9時15分に迎えに行かなきゃならないし・・・ま、いっか。
という訳で、1時にお迎えに行けば良いことになった。
めでたしめでたし。
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2. We are going to make a monster out of you!
昨日はフットボールの練習の初日だった。初日はオリエンテーションが中心で、ほとんど練習はしなかったようである。実は、愚息のような軟弱者にフットボールのような過激なスポーツができるのだろうか、と内心、とても心配していたのだ。私自身が軟弱者であるので、残念ながら愚息にアドバイスをすることはできない。軟弱さにおいては、私の方が上である・・・って自慢にならんけど。
で、練習二日目の今日、愚息は足を引きずりながら帰って来た。足が痛い、肩が痛い、屈めない、靴が脱げない、などとブチブチ言っておった。
愚母「練習、キツイの?」
愚息「うん、もの凄くキツイ」
愚母「じゃ、止めたら?」(なんつう親だ!)
愚息「止めない」
愚母「キツイけど、おもしろいの?」
愚息「ううん、おもしろくない」
愚母「じゃ、なんで止めないの?」
愚息「続けてたらおもしろくなるから」
ふ~ん、スポーツってそんなもんかい?
愚息が参加しているのは9月に新入生になる子達の練習である。Varsityチームのメンバーの練習は夕方から行なわれている。従って、フットボール初心者ばかり。みんな14、5歳だから身体もそれほど大きなわけではないらしい。愚息の身長は真中くらいだそうだ。体重は・・・多分上から2番目くらいだろうと言っていた。つまり、デブである
さて、アメリカには「デブは走れない」あるいは「デブは動けない」という常識がある。(日本にもあるかな?)
今日、誰がどの位速く走れるか、の競争があったそうである。1度に2人づつ走る。で、2回負けたらアウト。最初は人数が多いから、待ち時間が長かったらしいが、だんだん人数が減ってくると、ゴールからスタート地点まで走って戻らなければならなくなる。で、愚息は最後には疲れてしまって、一度勝った相手に負けてしまったそうである。それでもトップ5には入ったそうだ。愚息より速かった4人は、全員がすらっとした子達だったそうである。「あのデブは速い!」と皆さんに褒められて(?)嬉しかったそうである。
で、次はウエイト・ルームで力比べ。これはゆとりで一番ですな。だてにデブやってるわけじゃないもん。もちろん、新入生しかいない練習だからのことである。Varsityの連中に比べれば、赤ん坊のようなものである。
それでも、コーチに
We are going to make a monster out of you!
と言われたそうである。
アシスタントに
「1年間頑張ったら、2年生でVarsityに入れるぞ!」
と言われたそうである。(現実はそんなに甘くはない!)
が、愚息はとても嬉しそうだった。
「ブタもおだてりゃ木に登る」のかもしれない。
(・・・比喩になっとらんな。)
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3. Asianxxxx.com
と派手に書いたToyotaの4-runnerが走っていた。Xxxxのところには4文字言葉が入る。といっても、皆が普通に使っている普通の言葉である。愚息を迎えに行った帰りのことである。
愚母「Asian Xxxxって一体なんだろうね?」
愚息「行ってみようか。」
愚母「うん、行ってみよう。」
という会話を交わしたのだが、家に帰った後、愚息に昼飯を食わせて私はすぐに買い物に出かけた。
愚息は私が留守の間に行ってみたそうである。
「何のサイトだった?」
「ポルノ」
愚息はさりげなく答えた。
我が家のコンピュータ(インターネットに繋がってるヤツ)は台所に置いてある。台所にコンピュータなんか置くな!って?だって、我が家の台所は、台所兼食堂兼私の仕事場兼勉強部屋なんだもん。しかも、隣の居間との間に壁がない。私はこの二部屋だけで暮らしているのである。ここには生活に必要な全てが揃っている。
で、愚息がコンピュータを使っている時でも、私はチラチラと画面を見ることができる。従って、どんなサイトであろうとロックはかけていない。ポルノ・サイトであろうがテロ・サイトであろうが見たい放題である。が、親の目が常に光っている。
それに・・・私は愚息が小さな頃から『臭いものにはフタを』してこなかった。映画の暴力シーンもセックス・シーンも、私が見るものは全て愚息にも見せてきた。ただし、暴力であれ麻薬であれセックスであれ(テレビ・ゲームであれ)、教育によろしくないものについては全てじっくりと話し合ってきた。世の中に存在するものは目をつぶっても存在する。その存在を受け入れた上で、善悪を自分で考えて判断するようになって欲しかったからである。ましてや、親が見たりやったりすることを「子どもにするな!」とは言いたくない。
「子どもに見せたくないものは親も見ない」が我が家の方針である。
(わかったかね!ポルノ・サイトなんか行くんじゃないよ!>ダンナ)
今でも、愚息が友人と映画に行く時、成人映画以外ならなんでもOKである。
さて、「ポルノ・サイト」とさりげなく答えた愚息であったので、入ってすぐに出てきたんだろうな、とたかをくくっていた。で、後で「履歴」を使って愚息が何を見たかチェックしてみた。
ひえ~っ!
君、しっかり見てるじゃない!
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4. カルチャー・ショック
愚息は今、サマースクールに通っている。9年生(高校1年)の英語の復習コースを取っている。これは「高校卒業資格テスト」に合格するためのコースだそうだ。そんなこと知らんかったもん。
LAでは(カリフォルニア全部なのかな?)まともに読み書き計算を出来ないまま高校を卒業していく子が余りに多いので、数年前から「高校卒業資格テスト」というのが始まった。このテストに合格しなければ高校は卒業できない。実物を見たことがないから本当かどうかはわからないが、噂によると実に簡単なテストだそうである。中学で習うことを全部学んでいれば合格できるそうである。実際、知り合いの子の何人かは高校1年生でこのテストに合格している。
さて、愚息の中学の英語の成績は平均するとそれほど悪くなかった。成績表には詳細が書かれた紙がついてくる。これには英語がさらに細かく、ボキャブラリー・文法・ライティング・リーディングと分かれ、それぞれに成績がついてくる。で、愚息は文法がメチャクチャ悪かったのである。メチャクチャ悪い・・・つまりFですな。だから愚息は文法が全くできない、と私は思っていた。愚息も思っていた。だからサマースクールで英語を取ったのである。
ところが・・・下には下がいるものである。「出来ない」のレベルが違うのである。本当に出来ない子だけが取るコースだったのである。
何しろ
教師「君、なんでここにいるの?」
愚息「僕、英語ができないと思ってたから・・・」
教師「うん、普通のクラスに入ったら出来ない方だろうけど、ここに来るほど酷くはないね。」
という会話が交わされたくらいである。
アメリカには全然勉強が出来ない子がいる、という噂は愚息も聞いていた。が、実際にそういう子達に愚息が会ったのは今回が初めてである。愚息が通っていた中学は決してレベルが高い学校ではない。ただ、余りにも出来ない!という子はいなかった。学校以外の友人には、成績の良い子から悪い子まで色々いたのだが、悪いといっても限度があった。だからそういう子達を見たことがなかった。
これは愚息にとって一種のカルチャー・ショックであったらしい。彼らは決して知能が低いわけではない。
勉強する環境で育たなかったのだ。つまり、「勉強しなさい!」「宿題やったの?」とガミガミうるさく言う親や教師がいなかったのだと思う。考えてみればこれは気の毒なことである。本人は楽しく勉強なんか全くしないで楽しく暮らしてきたのだろうが(中には働かなくてはならなくて勉強どころではなかった子供達もいるだろう。)、やはりこれは不幸なことだと思う。「勉強する義務」ではなく「勉強する権利」があることを学ばなかったのだ。
流石の愚息も、このカルチャー・ショックは大きかったらしい。勉強の大切さが少しはわかったようであった。何しろ怠け者を自認する愚息、彼らを見ていて「明日は我が身」と思ったらしい。といいつつ、今夜も「勉強しろ!」「嫌だ!」と怒鳴り合いを繰り返す親子であった。
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5. 体操服の洗濯
以前から思っていたのだけど・・・生徒って、体操服って何着くらい持っているのだろう?
友人の子どもが通っている高校は、月曜日に体操服を学校へ持っていき、金曜日まで持って帰ってはいけない、という規則があるそうだ。5日間も毎日同じ体操服を着るわけ?それって、汚くない?
愚息が中学生だった頃、彼は体操服を3着持っていた。体育は毎日あるので、今日着る服、今日洗う服、予備、の3着である。他の子がどうしていたのかは知らない。
さて、愚息は今、毎日フットボールの練習に通っている。が、最初に渡されたユニフォームはTシャツ2枚にショーツが1枚であった。練習だから必ずユニフォームを着なければならないというわけではない。
が、ほとんどの子は毎日来ているそうである。愚息も毎日着て行く。
最初はショーツは毎日洗わなくても良いのではないか?と思っていた。が、もって帰って来る服は汗でびしょ濡れなのだ。絞ったら汗が滴り落ちるのではないかと思うくらい濡れている。これじゃ、次の日同じものを着せるわけにはいくまい。
という訳で、最近、洗濯は愚息が帰ってきてからしなければならない。
洗濯ってやっぱ朝1番にしたいよなぁ。
もう1セット買おうかとも思うのだが、愚息が苛酷な練習についていけなくてもうすぐ止めるのではないか、と思っているので、どうも買う気にならないのである。
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6. Do you have fat?
本日の夕食はポークチョップだった。ビーフ・ステーキの場合は普通Tボーンを買うのだが、ポークの場合は何故か骨なしを買ってしまう。で、犬達は骨をもらえない。匂いだけが漂ってきて何ももらえないというのは気の毒である。今度は骨付きのポークを買ってこよう。
さて、肉の周りには薄っすらと脂肪がついている。焼く前に脂肪を取り払ってしまうと肉の味が落ちるので、脂肪は食べる時に各自で切り取ることになっている。ちょっとでも脂肪を食べるのが嫌な私が切り取った部分には、しっかりと肉がついている。ダンナは結構きれいに脂肪だけを切り取る。愚息は・・・彼は脂肪ごと食ってしまう。いくら言っても聞かない・・・鶏の皮を食うな!と言っても聞かないのと同じである。(鶏の皮はテーブルに出す前に取り除くことにしている。油断していると食後台所へ皿を持って行った愚息がローストパンに残った皮を食べてしまうことがある・・・確かにカリッと焼けた鶏の皮はおいしいのだが。)
で、食後、お皿に残った脂身は犬のエサになる。夕食が遅くなってしまったので出かけなければならない愚息はお皿をテーブルの上に残したまま出かける用意を始めた。お皿に残った脂身を犬にあげるために集めていたダンナが、自分の部屋へ向う愚息の声をかけた。
“Do you have fat?”
愚息はちょっと振り向いて「失礼な!」と言って去っていった。
・・・ま、確かに失礼だな。
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7. 愚息の腹痛
実は愚息は一昨日の夜中からお腹を壊している。
今日は日本語学校の日である。熱があったり頭痛がする場合は、薬を飲ませて学校へ送り届けるのだが、お腹を壊している場合だけは学校へ行かせるわけにはいかない。という訳で、今日は日本語学校、お休み。
学校が終わる頃、欠席届を持って宿題を取りに行った。宿題を受取って家に帰ってくると、愚息から「先生になんていったの?」と聞かれたから、「お腹壊してるって言ったよ。」と言うと、愚息が怒った。
病気とだけ言えば良い。
お腹を壊しているなんぞとディーテイルの説明は必要ない。と言うのである。
でもね、欠席届に書くだけなら兎も角、目の前にいる先生を相手に「病気です。」の一言では余りにそっけないではないか?それに・・・お腹を壊したということを何故秘密にしなくてはいけないのだ?!エイズなら、ちっと秘密にしたいかもしれないけど・・・
というのは感受性が擦り切れてしまったオバサンの考えである。若者は「お腹を壊す=下痢」というのが恥かしいのだろうな、多分。愚息もそういうお年頃になったという訳だ。
さて、彼は昨日お粥を1杯しか口にしていない。今日は何も食べていない。水を飲んでひたすら眠っている。
愚息が何も食べないということは・・・
本当に病気なのである。
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8. 愚息の髪
愚息のへアースタイルはオールバックである。毎朝ディップできちんと髪を固めて出かける。で、ちょっと見ただけではわからないのだが、彼の髪は前だけがやたらと長い。オールバックにしていない時に前に垂らすと顎まで届く長さである。
以前からその長い前髪だけを青に染めたいと言っていた。が、愚息が6月まで通っていた学校は『自然な色以外に髪を染めるのは禁止』であった。自然な色・・・黒、茶色、赤毛、金髪、位かな?白やプラチナブロンドはダメだそうだ・・・何故だろう?
9月に入学する高校では髪の色は自由である。ちなみに髪型も自由である。ただし、スパイクにして髪の中に凶器を隠すのはダメだそうである。
(そういう規則があるということは、過去にそういうことをしたヤツがいるということである。)
ところで、愚息の髪の色は普通の日本人の髪の色である・・・濃い茶色。これを青で染めても元の色が濃いので、ちゃんと色は出ない。で、最初にブリーチをしなければならない。ところが、ブリーチをすると金髪(あるいは黄色)になってしまう。白くなるまで何度もブリーチをすると、髪が痛んで切れてしまうそうである。(愚息の美容師さんに相談した。)黄色+青=緑つまり、青に染めたくても緑になってしまうであろう。が、愚息はそれでも良いと言う。
私は愚息の髪型や色に関しては注文はないので、青に染めようがピンクに染めようがどーでも良いのだが、どーでも良いと思っているので「ブリーチとヘアダイ買ってきて」という愚息の頼みをついつい忘れてしまっていた。
忘れたまま月日は流れる・・・
今日、スーパーで買い物をしていると、何故かブリーチが目に止まった。そういうことってあるんだよなぁ。で、買って来た。8ドルもするんだぜ!
二つの液を混ぜて使用するらしい。しかも、一度混ぜたら全部使うか残った分は捨てなければいけないらしい。前髪だけに全部使うのはもったいない。
という訳で、半分別の容器に移し変えて、半分だけ使うことにした。そのせいでもないんだろうけど、思ったほど明るい色にはならなかった。
また明日やってみるそうである。
スーパーマーケットには青い染毛剤は売っていなかった。仕方ないのでビューティショップとやらに行ったらちゃんとあった。ブリーチと同じく8ドルくらいだった。高いなぁ・・・そんなもんかなぁ?生活に必要でないものを私が買ってあげるというのも納得できない気はするのだが、たかが髪くらいのことで愚息と『お話し合い』(怒鳴りあい、とも言う)をするのも面倒だから、ま、いっか。
彼の前髪は2度目のブリーチによりほとんど金髪になってしまった。が、髪が痛んでいるので、しばらくトリートメント剤を使って髪を休ませてからもう一度ブリーチをし、またしばらく休ませてから新学期が始まる直前に青く染める、と言う。ナント!計画的ではないか!愚息がここまで事前に計画を立てたのは生まれて初めてのことだ!素晴らしい!他のプロジェクトにも是非応用してもらいたいものである。
しかし、私のバスルームから私のトリートメント剤を盗み、さりげなく自分のバスルームのキャビネットにしまっておくのは止めて欲しい。
ところで、ビューティショップの店員さんは明らかに私より年上のおばさんであった。私が「青の染髪剤を下さい。」と言うと、「あなたが使うんですか?」と胡散臭そうな目で見られた。「いいえ、息子です。」と答えると、さらに胡散臭そうな目で見られた。青い染髪剤なんて、やっぱ親が買いに行くもんじゃないよな。
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9. The Most Wonderful Time of the Year!
いよいよ明日から学校が始まる。中学を卒業してから2ヶ月半、いやぁ、実に長い夏休みだった。特にここ2週間ほどは朝から晩まで運転手に徹していたため、コンピュータをつける時間すらなかった。メールの返事もかけず、随分と色んな人に失礼なことをしてしまった。
愚息は明日から高校生である。日本では中学3年生の年齢なのだが、こちらの高校は日本より1年早く始まり4年間通う。つまり、卒業時の年齢は日本と同じである。中学までは1学年90人という小さな学校に通っていたのが、高校からはナント1学年500人以上!こんな大きな学校で愚息ややって行けるのだろうか?と1学年200名ほどの高校しか通ったことがない(小学校は1学年80名、中学は120名だった)私はちょっと不安。
こっちもいいかげん愚息に付き合うのにうんざりしていたが、愚息の方とて同じである。流石に明日からの学校を楽しみにしているようであった。日頃『明日の準備』などしたことがない愚息が、夜、おもむろに準備をしている。フットボールのユニフォームや道具をバッグに詰める、明日学校へ着ていく服を選択する、そして最期は夏の間ブリーチをし続けてきた髪を青に染める!「うん、これで準備万端だ!今日は早く寝よう!」
愚母「あのぅ・・・ノートとかペンは?」
愚息「えっ、そんなもんいるの?」
・・・一体こいつは何をしに高校へ行くのだろうか?
ちなみに、こちらの公立高校は基本的には制服である。が、学校が始まる前に「私服で通わせます。」という書類に親がサインをして提出すれば私服でも良いのである。全員の親がこの書類を提出しているのであろう、制服を着ている子は1人もいない。一体なんのために制服があるのだろう?と思いつつ当然サインをして学校へ提出した愚母であった。
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10. 愚息、高校入学
とは行っても、入学式なんぞはないんですな、こちらの高校。そう言えば、キンダー(小学1年生の前に一年間通う義務教育の幼稚園。小学校に属している)に入学する時も、子供を学校で落としてお終いだった。子供が初めて学校へ行く日、親が不安になるのはこちらも同じ。教室に入っていった我が子の様子を見ようと窓にへばり付く親達を追い散らす校長先生・・・恒例の新学期の風景だった。もちろん小学校のお話。高校ともなると親は学校の敷地内にすら入って行きませんな。
さて、愚息が入学したのは普通の公立高校である。(特殊な公立高校も無いではない・・・頭の良い子だけを集めた高校、滅茶苦茶態度が悪い子が行く学校etc.)だからこの高校がカリフォルニア、あるいはロスアンジェルスの平均的な学校のシステムだと思う。で、新学年が始まる日、生徒達はまず学校で『時間割表』を受取る。クラスが始まる20分前に来いということだったが、登録日に時間の20分前に行って1時間待たされた経験があるので、7時15分に愚息を学校に落としてきた。彼のクラスは1時間目の8時から始まるのである。1年生から張り切って0時間目(7時始業)から取っている生徒もいるらしいが、まぁ、そんなに欲張ることもあるまい。(とアドバイスしてしまった結果である。)学校の前で落としたので、彼がどの位待たされたかは知らない。が、1科目を除いて授業には間に合ったそうである。
何故1科目遅れたのか?昼休みを取る時間を間違えたそうである。彼の学校、昼休みが2回あって、どちらの休みにお昼を食べるかは取るクラスの先生が何時にお昼を食べるかによるそうなのである。複雑だなぁ・・・そうでもないか。という訳で、クラスに行ったのが授業が終わる10分前だったそうである。
愚母「叱られた?」
愚息「ううん。」
愚母「何も言われなかったの?」
愚息「時間を間違えたって言ったら、ああそうか、って言われただけ」
愚母「で、それ何のクラスなの?」
愚息「それが・・・ようわからん!」
楽しい高校生活になりそうである。
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『DOTMANの思い出:その7』に続く。 |