クリックすると『ホーム・ページ』に行きます。
クリックすると『サイトについて』へ行きます。
クリックすると『DOTMANの能天気な日々』へ行きます。
クリックすると『DOTFATHERのささやかな日々』に行きます。
クリックすると『DOTMOTHERのぐ~たらな日々』に行きます。
クリックするとDOTGRANDMA's Postcard Galleryが開きます。

Eメール:DOTMOTHER

HOMEDOTMANの能天気な日々>DOTMANの思い出:その3


DOTMANの思い出:その3

少年剣士DOTMAN

続DOTMANの育ち方
小学時代2


 
目次
11 リモコン
12 猫泣かせ
13 Premature Ejaculation
14 そこはかとなく
15
16 まるで親子?
17 授業参観
18 サンタクロースへの伝言
19 一番嫌いなもの



11. リモコン

愚息の学校は、毎月1冊本を読んで、読書感想文を提出することになっている。あさってが締め切りというのに、愚息はまだ本を読み始めてもいない...親が注意する事じゃないのだが、ついついガミガミ怒鳴ってまった。

「ハックル・ベリー・フィンの冒険」を読むことにしてたのに、「なくしちゃったぁ」なんぞとほざいている。仕方ないから私のハードカバー、チャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」を貸してあげた。...しかし本、失くすかな?

「テレビなんか見てる場合じゃないでしょう!消しなさい!」の怒鳴り声に、愚息はリモコンのスイッチを手に取り、すぐにテレビを消した。その後、リモコンを私の方に向けて何やらやっておる。

愚母「あなた、母さんのスイッチも切ろうとしてるんじゃないでしょうね!」
愚息「と、と、とんでもない。」
愚母「じゃ、何やってるの!」
愚息「...あのぉ、ボリューム下げようと思っただけです。」

そう言えば、愚息が小さな時、うるさくて、「誰かこいつのスイッチをオフのしてくれ~!」と叫んでいたのは私だ。やはり発想は似るのかな?

このページのトップに戻る。

12. 猫泣かせ

昨日の朝、空一面に「いわし雲」が広がっていた。
愚母「空、見てごらん。すごいいわし雲だねぇ。」
愚息「あれ、いわし雲って言うの?」
愚母「そう、魚の鱗みたいに見えるでしょう。」
愚息「ふ~ん、日本人にとっては魚っていわしのことなんだ。」

あれ?「鱗雲」だっけ?

という訳で、夕食は焼き魚だった。

私は魚を食べるのが下手だ。残骸はみごとに原型をとどめず、また食べられる身がバラバラになった骨にたくさんくっついている。(幼少の頃、乳母に魚をむしってもらっていたのが原因だろうか...もちろん嘘である。)

それに反して、愚息の魚の食べ方は見事だ。誰が教えたわけでもないのに、食べ終わると、頭があって、一片の身も残さない骨が続いて、しっぽがある、という状態になっている。以前、(私の)母が「こういう食べ方は『猫泣かせ』と言う」と言っていたのを思い出す。猫にあげる時に身が全然ついていないからだ。我が家には猫はいないが、愚息が一匹いる。

愚息は食うことが大好きだから、ゆっくり味わって食べる。いつも後から食べ始める私の方が、先に食べ終わってしまう。だから、テーブルの上の食器を流しまで持っていくのは愚息の役目だ。その前に、愚息は私のお皿を必ずチェックする。特に魚の日は丁寧にやる。

お察しの通り、私の食べ残しを片付けるわけだ。バラバラになって、お箸でむしりにくくなった骨は、手で持って舌の先で身をつつく。
「お行儀悪い!」と言うと、
食べ物を粗末にするより、お行儀が悪い方がましだ!」と言い返される。
う~ん、どっちが良いのかな?

愚息の好物が食卓に上ると、状況は悪化する。愚息は私のお皿をチラチラと見ながら食べ、時々「母さん、もうごちそうさま?」と物欲しげな顔で聞く。愚息が小さな頃は、可哀相になって「うん、後は食べて良いよ」と言っておったが、最近はそんなことを言えば私の分が無くなってしまう。ヤツは私がお箸を持つやいなや、「もう、ごちそうさま?」と聞きかねない。

最近、我が家では夕食時に無言の戦いが繰り広げられている。

このページのトップに戻る。

13. Premature Ejaculation

先日テレビを見ていたら(『Boston Public』という公立高校が舞台になっている)わからない言葉が出てきた。
(と書くと、そういうことが滅多いないように聞こえるじゃないか!)“premature ejaculation”という言葉だ。
prematureもejaculationも聞いたことはあるのだが...わからん。前後の筋から考えても見当がつかない。で、隣にいる愚息に聞いてみた。

愚母「“premature ejaculation”って何?」
愚息「よくわからない。ejaculationっていうのは射精だから、5、6歳の子供が射精しちゃうことじゃない?」
愚母「...まさか。高校で授業中の話だよ。ところで、君は何故そういう日本語を知っているの?

そこへやってきたダンナに聞いてみた。「入れる前に出ちゃうこと。」ん?わからんぞ。何を入れる前に、何が出るんだ?

そこで愚息が一言
「なんだ、早漏かぁ」

おおお、私は愚息に「早漏って何?」って聞いてしまったのね。
それにしても、何故そういう日本語は知っているのだろう...?

このページのトップに戻る。

14. そこはかとなく

愚息は、何か言われると必ず一言いい返さなければ気が済まない性格だ。私は「絶対服従」されるのが大好きなので、何か言い返されるとムッとする。愚息はそれを知っててわざとやる。

愚母「早くしなさい!」
愚息「早くします!」

愚母「さっさと宿題始めないと、また寝るのが遅くなるよ!」
愚息「僕もそう思う。」

愚母「起きてる?」
愚息「寝てたら返事はしない!」

「一言、『はい』と言え、『はい』と!」

以前「どうしてそんなことするの!」というのは疑問文ではない、という話を書いたが、たまには疑問文になることもある。先日、またもや愚息が私に理解できない行動をとったので、心から「どうしてそんなことするの?」と聞いてみた。愚息が何を考えていたのか、本当に知りたかったからだ。
「これはどうやら本当の疑問文らしいぞ」と察した愚息は、しばらく考えてから一言・・・

「そこはかとなく」

「何も考えてなかった」と正直に言え!
それにしても、「お前の日本語はどっから来とるんじゃ!」

このページのトップに戻る。

15. 霧

今朝、愚息を学校へ送って行く時、霧がかかっていた。それで、愚息が初めて“霧”というものを認識した日のことを思い出した。

もう何年も前になるが、やはり愚息を学校へ送って行く途中のことだった。私は前方が見えないものだから、恐ろしくてソロリソロリと運転していた。

愚息「今日は暗いねぇ。まだ夜?」
愚母「霧がかかってるんだよ。」
愚息「霧って何?」
説明するのが面倒な愚母「雲みたいなもんだよ。」
愚息「雲が空から降りてきたの?」
いいかげんな愚母「そ」
愚息「何しに?」
冷たい愚母「そんなこと知らない。霧に聞いてみたら?」
愚息「うん、聞いてみるから車止めて!」

愚息は、それはもう興奮してしまって「外に出たい!霧の中を歩きたい!霧を食べてみたい!」と喚いていた。学校に着くとすぐに車から飛び出し、行って参りますの挨拶もなしにとっとと行ってしまった。

その日の帰り
愚母「どうだった?霧の中、歩いた感想は?」
愚息「それがね...僕の周りだけ霧がないの。ちょっと先にはあるんだけど、そこに行くとなくなっちゃうの。お友達の近くにはあるんだよ。僕の周りだけないの。どうして?」と泣きそうな顔。

お前なぁ、霧の中に入ったら白いふわふわに包まれると思っていたの?

実は私も小さな頃そう思っていた。初めて霧の中を歩いた時のショックは未だに忘れられない。山でキャンプをしていて、朝、テントから顔を出すと一面に霧が...興奮してテントを飛び出した。が...う~ん、愚息の気持ちがわかる!

今朝、学校の駐車場に車を止めて、愚息に聞いてみた。愚母「あの日のこと、覚えてる?」『あの日のこと』だけで通じるのが親子ですなぁ。
「...うん。僕は本当に悲しかった。」と言って、学校へ行ってしまった。

大きくなったもんだなぁ。

このページのトップに戻る。

16. まるで親子?

私の机にはまだまだ及ばないが、愚息の机の上はかなりちらかっている。「片付けると何が何処にあるのかわからなくなる。」と、どこかで聞いた事があるようなことを言う。

先日、そんな机の上をちらっと見ると、私の写真を白黒でコピーした紙が置いてあるではないか。一体誰がどのような目的で私の写真をコピーしたのか?不思議に思って手にとって見てみると...

「げっ!」と思わず下品な声が...

それは、愚息の写真だった。ピンボケの白黒写真をチラッと見ただけなので、雰囲気しかわからなかったのだが、自分の顔だと思うくらい似ていた。

愚息「人の写真を見て『げっ!』とは失礼な」
愚母「いや、そういうつもりでは...」
愚息「どういうつもりじゃ?」
愚母「私の写真かと思って手に取ったら君の写真だった」
愚息「似てるとでも?」
愚母「うん。」
愚息「それはもっと失礼な!母さんがこんなに可愛いかぁ?」
愚母「え?母さんの方が可愛いくないかい?

ここで愚息と愚母がそろって...
「う~ん、それにしても...まるで親子のようだ。」
と言って、お互い嫌な顔をしてしまった。

...しかし、本当に似ていた。

このページのトップに戻る

17. 授業参観

愚息は毎週土曜日、日本語学校へ通っている。親の仕事の都合でこちらに住んでいる日本の子を対象にした学校であるから、日本の学校と同じ教科書を使って、1週間分の勉強を1日で教える。(そんなの無理だと思う。)愚息は日系アメリカ人だし、家庭では英語を使うから、これが結構キツイ。国語の授業は能力別にクラス分けがしてあるので、一番できない子のクラスに入っている愚息でも多少は何とかなるのだが、数学、理科、社会はそう簡単にいかない。(全教科能力別にクラス分けしてくれると良いんだけどなぁ。)

先日、授業参観があった。
社会の授業で、九州のことを習っていた。

先生「カルデラってわかりますか?」
生徒「うまそうな名前だな」
愚息「それはカステラ」
先生「カルデラっていうのは、山が落ち込んでる地形のことです。」
生徒「え?山が落ち込むの?」
愚息「そりゃ山だってたまには落ち込むよ。色々苦労があるんだろうなぁ、気の毒に」

授業参観の時にこういう発言をするんじゃない!(しかし、先生の説明の仕方にも問題があるのではないだろうか?)

先生「沖縄は雨が少なくて、暖かいところですが、先生が行った時は霰が降ったんですよ。霰ってわかりますか?」
愚息「へ~、霰が...」
生徒「おい!〇〇(愚息の名前)、それ以上しゃべるな!そのジョークはうけない。」

授業参観の時は、いつも教室の隅で目立たないようにしいる。愚息の母だとバレルのが恐ろしいからだ。
愚息はそれを知っていて、授業が終わるとわざと私に声をかける。...普段は並んで歩くのさえ嫌がるくせに。

すると必ず「あなたが〇〇君のお母さんですか...」と周りの母親達が寄ってきて挨拶をしてくれるのは何故?

愚息よ、小学校6年間通いとおしたことだけで母は満足している。よく頑張った!。もう、日本語学校止めたら?

このページのトップに戻る。

18. サンタクロースへの伝言

愚息「母さん、僕ね、クリスマスにサンタクロースから貰いたい物ね...」
愚母「そういうことはサンタクロースに言いなさい。母さんに言われても困る。」
愚息「え~!母さん、伝えておいてよ。」
愚母「嫌だ!」
愚息「とにかくね、僕の欲しい物ね...」
愚母「聞きたくない!聞く耳持たん!自分で言え!」
愚息「GBのロボポン」
愚母「何だ、そりゃ?」
愚息「サンタクロースに言えばわかる。」
愚母「わかるかそんなもん!そもそも、サンタクロースは良い子のところにしか来ないんだろうが!」
愚息「うん。僕、良い子!
愚母「良い子がプレゼントのリクエストするかぁ?」
愚息「サンタクロースだって、リクエストがあった方が考える手間が省けるだろう。」

何時からサンタクロースはリクエストを受け付けるようになったのだろう...?

このページのトップに戻る。

19. 一番嫌いなもの

愚息の宿題に「一番大切な物、一番嫌いな物」について書けというのがあった。手書きは不可。で、いつもの如く「母さん、打って!」と愚息に頼まれた。

余談だが、私は何時も愚息のレポートの清書をしてあげる。愚息は未だにブラインド・タッチが出来ず、タイプに時間がかかるからだ。「やってあげるから何時までたっても覚えないんでしょう。」という最もなご意見はあるだろうが、現代の多忙の波は子供にまで押し寄せているのだ。宿題だけしてれば良いってもんじゃない。身体を鍛えるためにスポーツは欠かせないし、友達付き合いも大切である。食事を忘れるほど夢中になれる趣味は、是非磨いて欲しいと思う。(ってゲームだけど)睡眠不足は成長の妨げになるので、避けたい。という訳で、愚母はせっせと愚息の宿題を積極的に手伝う。(といってもできることは限られている。)

基本的に、「『読み書き計算』さえできれば生きていける。」と思っているので、それ以外の科目はどうでも良いのだ。他の事に関しては興味を持った時に学ぶであろう。反対に『読み書き計算』ができなければ、何かに興味を持った時、学ぶ術がない。(『計算』は物事を論理的に考える訓練になるので、文系にだって必要だと考えている。)勉強に興味を持たなければ...それはそれで他に生きる道はあるだろう。愚息の無残な成績に文句はつけませんが、義務教育であるから、国民の義務として最低限の成績は要求します...つまり、全ての科目でF(不可)は認めない。

もう一つ、学ばなければならないこと・・・情報収集である。解らないことがあったら、どうやって調べれば良いか。(インターネットだけが情報源じゃないのだよ。)辞書の引き方に始まって、図書館の利用の仕方、分厚い本の中から必要な情報の拾い出し方...等等は、多少時間がかかっても教える。が、愚息は愚母直伝、最も速く効果的な「知ってる人に聞く」をもっぱら実戦している。(「知ってる人の探し方」は身に付けなくては。)

ブラインド・タッチなんぞは、その気になったら1週間も練習すれば覚えられるものだし(経験者は語る)、未だに出来ない愚息の父は人差し指打法で結構早く打つので、絶対必要とは思っていない。

余談が長くなったが...本題は短い。(字がきたなくて、私には愚息が書いたものが読めないので)愚息が隣で読み上げた文章を、私が打っていく。校正は無し...というか、出来ない。(だって英語だもん。)

愚息「僕にとって一番大切なのは、友達です。...」
愚母「カチャカチャ」
愚息「僕が一番嫌いなのは...親です。」
愚母「ん?なんだそりゃ?あのねぇ、今、君の宿題を手伝ってあげているのは誰?」
愚息「親」
愚母「食事の用意や洗濯をしてあげているのは?」
愚息「親」
愚母「学校とか友達の家に連れて行ってあげるのは?」
愚息「親」
愚母「こういうことを君はどう思っているの?」
愚息「もちろん、ありがたいと思ってる。」
愚母「で、君が一番嫌いなのは?」
愚息「親!」
愚母「...」(カチャカチャと『親』とタイプする。)

愚母「どうして?」
愚息「鬱陶しいから」
愚母「...なるほど」

親が一番嫌いというのは...結構幸せなのかもしれない。

『DOTMANの思い出:その4』に続く。

このページのトップに戻る。